2008-01-01から1年間の記事一覧

「儚い聖夜を」

イルミネーションが飾られた街に 小雪の代わりに 冷たい雨が降り続けていた 濡れたアスファルトで 影も濡れ続けた よりそう肩の代わりに 壁に背中を預け やがて消えていく街の灯りを ただ眺めていた すべて濡れてしまった夜に 君の笑顔と夢の中で再会しよう …

「それでも周る」

止まってはくれない 明日が怖いと言っても 夜のままでいいと願っても このまま周り続けている 幸せなままで 笑顔のままで 温かいままで 止まりはしない 明日には希望があるから 朝には朝陽があるから このまま周り続けている 不幸なままで 泣顔のままで 冷た…

濡れた芝生の上で

聞いていた 胸に響く言葉のようだった でも理解できていなから ただ、聞いていた 足元の濡れた芝生が冷たかった 冷たさが身体中をめぐり 冷たい手は動かなかった 頬はすでに凍り 微笑むことなど出来なかった あなたの口元を見ながら だけど理解したくなかっ…

「 秋の空の瞬きは美しく 」

ふと見上げた夜空は秋になっていた 星たちが地上に近づいてきている 手元に落ちておいで 瞬く星たちを眺めてはそう思った 振り返れば 灯りも届かないコンクリートの道と 道端にある草むらからの 虫たちの悲鳴 星たちの瞬きが美しい 手の届かない星たちの灯り…

「 プロローグは予測なく 」

寂れた喫茶店で 疲れたママと話していた 席を一つ空けて座った君と視線を交わす プロローグは突然で まだ何も気づいてなかった 交わした視線が 時を刻みながら fall in love 恋は予測なく始まる はにかんだ笑顔を愛し 豪快な笑いを愛し 真剣な眼差しを愛した…

「 夏の名残りと虫の鳴き声 」

夏の名残りを匂わせて 昼間の陽射しは眩しかった 外へ出てはいけない 家の中の壁をみて 指折り、時を数えたらいい めくっては破り捨てたカレンダーが 9月だと知らせてくれた 12月31日までの数字が 整然と並びながら 変えようのないものがあると 見せてくれる…

「 俯きながら 」

喧嘩したのかもしれない 月明りも心もとなく 街灯もない道を 早足で歩いた 歩くほどに涙が零れたのか ため息が零れたのか 知っているのは その時に吹いた風だけだろう 歩く自分の影を 俯きながら見ていた そして 君のことを思いながら歯軋りしていた 独りよ…

「 時計の針の進む音が眠りに誘う 」

時計の針が進む音は 眠りなさいと誘うのだけど テレビからの垂れ流しの雑音は 眠ってはいけないと囁く 明日に日付が変わり 今日が始まってしまっても 夜明けが来るのが怖い 眠らなければ 夜明けがこないような、 そんな期待を抱きながら 時計の針が進む音を…

「 線香花火 」

飛び出すように 火薬を散らし 鮮やかな閃光を残して 消えていく 短い瞬間が 忘れがたい煌き 苦い薬を飲み干した、 あの後味の悪さを残して 消えていく だけど瞼に焼きつき このまま消えはしないと 解っている苦しさは・・・・ 火傷した皮膚の 突き刺すような…

「 咆える風 」

海に沈みそうな小さな孤島をめざし 渦巻き、咆えながら 風は、走る、走る、走る 愛を知らない 傷つけることだけで 君は、走る、走る、走る 咆える風は 君の無知な心にも響くだろう 空一杯に広がった雲を蹴り上げて 急降下しながら、咆え 風は、走る、走る、…

「 だけど私も悪い 」

眠れない夜を 指折り時を数えるように 時計の針も 静かな音をたてて回る 君が悪いわけじゃない だけど君も悪い 止まらないため息に 窒息しそうな暑い夜に 外の風も 静かに海を波立たせる 私が悪いわけじゃない だけど私も悪い どこを向いて 歩き出したらいい…

「 古く傷ついた涙 」

感傷的な涙を溢し 鼻を赤くして震えながら しゃがみこみ 足元を見つめていた 潤む瞳を赤くして 泣いていた 古く傷ついた涙を溢し 思い出を引き摺りだして 両手で胸を 抑えて耐えながら 瞼を赤くはらして 泣いていた 感傷的な声を溢し 口を押さえて消しながら…

「 泣けるほどの愛は 」

指の隙間から零したものは 君への愛なのかと 両手を見ていた 指輪の跡も消え 夏の日差しで焼けていた 欠片は何処へ 泣けるほどに 愛していた 静かな夜が永遠であれと 願うほどに 愛していた 指の隙間から零したものは 君への未練なのかと 手のひらを見た 生…

「 夜明け前 」

夜明け前に 何を聞いていたのかと 問われても、答えられない 耳を塞いで遠くの景色を描いて 存在するものすべてを 愛したいと思っていたから 夜明け前が 何も見えないときだから 瞼を閉じて、音を拾っていた 草が交差し虫が飛びはね風が舞う 存在するものす…

「 未来はまだ見えない 」

霧のかかった景色の中に 二人、取り残されていたなら まだ寄り添える温もりが 未来への恐怖を和らげてくれる 一人、彷徨えば 涙零しても霧は晴れない 足元を見つめ、一歩ずつ歩いて 未来への入り口を探して 手を繋いで下さい わたしの震える肩が 地面に伏せ…

「 瞳に明日を映して 」

泣かないで あなたの幸せは、 遠い空の向こう側じゃない ほら、掌に小さな灯りが育っている 泣かないで あなたの願いは、 遠い海の向こう側じゃない ほら、瞳に瞬く星が育っている 瞳に明日を映していこう 未来は、そう悪いもんじゃない 愛があれば、きっと…

「25時のLOVE SONG」

愛していると言ってください あなたの柔らかな声で 暗闇の冷たさを払いのけながら 見えない数万の星を数えていくから 愛していると囁いてください あなたの温かな声で 地上に落ちた雨の数だけ 孤独の涙を止めていくから 切ない夜にLOVE SONGを 25…

「 雨音はやさしく 」

曇り空だった一日を終えて優しく雨が降る今日の疲れを流してくれるのだろうか優しく雨が降るもう、眠っていいのだろうか優しい、雨、雨、雨、 雨音は、君の遠い鼓動優しい雨が降る明日も雨が降るきっと今夜のように優しく、穏やかに 雨音は優しく真夜中に眠…

「 動悸がしたら眠れない 」

ふと何気ないことが気になり胸の中に不安が広がる大して不幸でもないかもしれないけど大して幸福でもないような気がしてきた胸の中の不満も振動となって小さな心臓を揺らす横になって眠ろうとしても振動が気持ち悪く 多分不幸じゃないだけど幸せだとも思えな…

「 新緑萌えるころ 」

注ぐ光りが眩しくて君のシルエットも光りに溶けていく確かに右肩下がりだった少し襟足の髪が伸びていた そのまま君の姿は消えてしまった新緑の頃光りは眩しく足元の影だけはくっきりと浮かぶ 生命の強さが緑の濃さに現れている風薫る五月に一つ歳をとりなが…

「 昔の休日は 」

休日が嫌いなときがあった君に逢えない、ただそれだけの理由で君がいない寂しさに長い夜は毒となってわたしを苦しめてきた眠れないまま、もがいてきた 今年も休日がたくさんあるもう体に廻るような毒のある夜にはならない君に逢えない寂しさは、風とともに彼…

「 そして眠る 」

風が吹かないままこの場所に留まってしまいやがて朽ちていけたならいいだけど君との思い出だけはどうしても朽ち果ててくれない 君の斜めになった背中と煙草をふかす横顔が似合っていた猫背な座り方に苦い珈琲が似合っていた 風の変わりに時が渦巻きこの場所…

「 独り、のわたしたち 」

独り、長い夜を過ごす君何を見て、何を考え、誰を想うのだろう 独り、わたしも長い夜を過ごし未来を見ようとし、君のことを考え、君を想っている 独り、誰もいないわたしたち手を繋ぎ、肩を抱き合い、頬を寄せ合う、そんなときが来るのだろうか 独り、長い夜…

「 眠ってはいけない 」

疲れた体は瞼を閉じようとするだけど、眠ってはいけない長い夜だから、雨の降る夜だから、月の見えない夜だから、君を想う夜だから、瞼を閉じても眠ってはいけない 君に告げたい言葉を探せないだから、眠ってはいけない君を愛する夜だから、君を思い出す夜だ…

「 大粒の雨が降る 」

夕暮になって地面にぶるかるように大粒の雨が降る雨と雨の間隔は広い 君の空からも大粒の雨は降っただろうか首をすくめ小走りする、君の丸まった背中が妙に愛おしくてたまらない君の背中で深く大きな染みとなっていく大粒の雨が羨ましくて 温みだした空気の…

「 どうして、 」

どうして、どうして、何をわたしは間違えた?だんだんと先細る道を歩いている体はふらふらしている後ろを振り返ってもぽっかりと大きな穴があるだけで歩いてきた道が後ろから崩れてきているどうして、どうして、こんな道になってしまった?頼れる人もなく独…

「 差し伸べても遠く 」

君の流す涙を拭いたくともわたしの差し伸べる手は届かない君の震える肩を抱きたくてもわたしの差し伸べる手は届かない 哀しい瞳で見つめる現実に桜吹雪は寂しさを誘う君の瞳に映る景色のなかで散った花びらは地面でつもる 君の頬を温めたくてもわたしの差し…

「 風もない夜に 」

どうしてこうも静かなのだろう草の擦れ合う音さえもしないような夜テレビの音は垂れ流しても何も聴こえはしない 風がない風のない夜にべったりとした暗闇がある目の前のものさえ見えなくなるような 風がない風のない夜に進めない帆船のように此処に留まるし…

「 花曇 」

曇り空に、薄紅の花が似合う悪戯な風に揺られやがて、花吹雪最後の煌きに似た花吹雪 虚ろな曇り空に映った想いは雲と一緒に流れ西の彼方へと向かう見送るのは、花吹雪 薄紅の花も霞む、花曇寒さも温かさも感じられず穏やかに風が吹くだけで古くなりゆく思い…

「 頁はめくられて 」

咲き乱れる花、舞い踊る風、広がる陽、 新しい頁はめくられてゆっくりと開いた景色のなかに君の姿はなく、影さえも見つけられない土埃となって消えた足跡の形さえも忘れてしまいそうな今日の頁を毎日めくっていく 散りゆく花、去りゆく風、消えゆく陽、 新し…