涙は零して

流してはいけない だけど零していい 雨が降る夜に誘われて 涙を零して 一緒にため息も零して 何もかも無くしてしまいたい こなくてもいい明日があるけれど 必ず来る明日のようだから どこで区切りをつけて 明日と呼べばいいのかわからないまま やはり明日を…

孤独とは限らない

週末、一人ぼっちで過ごす いいんだ 他人のなかで埋もれていくよりは 一人の時間を楽しむことも 猫と一緒に昼寝することも 素敵な時間なんだ いいんだ 他人のなかで傷つき泣くよりも 一人の時間で寂しさを受け止めて 猫の温もりに安堵する自分を知る 大事な…

細い三日月の夜に

風はなく 穏やかな時間の流れのなか 逆らわないようにして ゆっくりと散歩する 真夏になる前に 枯れた葉 静かにくずれていく 細い三日月の夜に 桜の大きな枝のドームの下で 影を消して ゆっくりと散歩する 梅雨の前の 軽やかな空気が 頬をなでていく 茫洋と…

ふと思うこと

何を思い描いているのかわからない 頭の中で独り言ばかり 心の中では何も言葉がない サビシイよ カナシイよ ツライよ タスケテよ 心の解放は 頭の中の言葉を吐き出してしまって 空っぽにすることさ ゴメンナサイ ユルシテクダサイ アリガトウゴザイマス カン…

愛されたいのは、愛したいのは

愛されたいのは 七月生まれの君であって いや、 遠い昔にあきらめていて だけど、 愛されたい 愛したいのは 七月生まれの君だったのに いつのまにか、 遠くの人になって まだ、 愛したい 七月をケーキで祝う 照れた君を思い出し くすっと笑っていた 七月に背…

「煙とともに過ごす夜」

一つ欠伸をしながら 見てもいないテレビの音を聞き 時計の針の小さな動きを見ていた 真夜中の一時 眠たいと身体は軋んできた 眠ろうと猫は誘う 君の寝顔を胸に描いて 君の寝息を胸に落として 二つ目の欠伸をして 見えもしない星を数え 時計の針の小さな音を…

「生きていればこそ」

生きていればこそ 約束のない再会も叶うだろう 生きていればこそ 後悔に涙し 孤独に打ちのめされ 生きていればこそ 感謝して涙し 喜びの笑顔になるのだろう 生きていればこそ 約束のない再会をはたし 生きていればこそ 君を想っていられる 生きていれば いつ…

「限りなく、ともに」

あなたが気づかなくとも わたしは寄り添っているから 永遠の契りのように わたしの心は決まっている 限りなく、ともに 瞬間をつむいでいる あなたが温もりを感じられなくとも わたしは寄り添っている 途切れることなく流れる川のように わたしの心に迷いはな…

「今夜ぐらいは」

今夜ぐらいは あなたを想いながら 涙をこぼしてもいいでしょう わたしが可愛そうでもなく 後悔の苦い涙が波のように繰り返す 今夜のように わたしが泣けば あなたは苦い顔をするのでしょう だけど、 それでも、 後悔の重い涙が波のようで わたしの愛は終わっ…

「冷たい風と柔らかな日差しのなかで」

うす曇のなかで冷たい風が戸惑う どこへ向かっていくか 下るだけ下って 海原の波と戯れるのもいい 柔らかな日差しが 戸惑う冷たい風に微笑む 少しとどまってみるのもいい そう言いたげな明るさで 冷たい風と柔らかな日差しのなかで 独り立ち止まっては 全開…

「暦の上で踊る新春」

綿雪ほどの美しさはなく 小粒の儚い雪が 風に揺れながら泣いていた 暦の上で踊る一つの区切り 昨日から繋がっている今日の日に 港にわたしはいた 雲間の弱い日差しが 山の向こう側で落ちている わたしの元まで流れてきておくれ 夕暮になる前に 微笑んでいた…

「儚い聖夜を」

イルミネーションが飾られた街に 小雪の代わりに 冷たい雨が降り続けていた 濡れたアスファルトで 影も濡れ続けた よりそう肩の代わりに 壁に背中を預け やがて消えていく街の灯りを ただ眺めていた すべて濡れてしまった夜に 君の笑顔と夢の中で再会しよう …

「それでも周る」

止まってはくれない 明日が怖いと言っても 夜のままでいいと願っても このまま周り続けている 幸せなままで 笑顔のままで 温かいままで 止まりはしない 明日には希望があるから 朝には朝陽があるから このまま周り続けている 不幸なままで 泣顔のままで 冷た…

濡れた芝生の上で

聞いていた 胸に響く言葉のようだった でも理解できていなから ただ、聞いていた 足元の濡れた芝生が冷たかった 冷たさが身体中をめぐり 冷たい手は動かなかった 頬はすでに凍り 微笑むことなど出来なかった あなたの口元を見ながら だけど理解したくなかっ…

「 秋の空の瞬きは美しく 」

ふと見上げた夜空は秋になっていた 星たちが地上に近づいてきている 手元に落ちておいで 瞬く星たちを眺めてはそう思った 振り返れば 灯りも届かないコンクリートの道と 道端にある草むらからの 虫たちの悲鳴 星たちの瞬きが美しい 手の届かない星たちの灯り…

「 プロローグは予測なく 」

寂れた喫茶店で 疲れたママと話していた 席を一つ空けて座った君と視線を交わす プロローグは突然で まだ何も気づいてなかった 交わした視線が 時を刻みながら fall in love 恋は予測なく始まる はにかんだ笑顔を愛し 豪快な笑いを愛し 真剣な眼差しを愛した…

「 夏の名残りと虫の鳴き声 」

夏の名残りを匂わせて 昼間の陽射しは眩しかった 外へ出てはいけない 家の中の壁をみて 指折り、時を数えたらいい めくっては破り捨てたカレンダーが 9月だと知らせてくれた 12月31日までの数字が 整然と並びながら 変えようのないものがあると 見せてくれる…

「 俯きながら 」

喧嘩したのかもしれない 月明りも心もとなく 街灯もない道を 早足で歩いた 歩くほどに涙が零れたのか ため息が零れたのか 知っているのは その時に吹いた風だけだろう 歩く自分の影を 俯きながら見ていた そして 君のことを思いながら歯軋りしていた 独りよ…

「 時計の針の進む音が眠りに誘う 」

時計の針が進む音は 眠りなさいと誘うのだけど テレビからの垂れ流しの雑音は 眠ってはいけないと囁く 明日に日付が変わり 今日が始まってしまっても 夜明けが来るのが怖い 眠らなければ 夜明けがこないような、 そんな期待を抱きながら 時計の針が進む音を…

「 線香花火 」

飛び出すように 火薬を散らし 鮮やかな閃光を残して 消えていく 短い瞬間が 忘れがたい煌き 苦い薬を飲み干した、 あの後味の悪さを残して 消えていく だけど瞼に焼きつき このまま消えはしないと 解っている苦しさは・・・・ 火傷した皮膚の 突き刺すような…

「 咆える風 」

海に沈みそうな小さな孤島をめざし 渦巻き、咆えながら 風は、走る、走る、走る 愛を知らない 傷つけることだけで 君は、走る、走る、走る 咆える風は 君の無知な心にも響くだろう 空一杯に広がった雲を蹴り上げて 急降下しながら、咆え 風は、走る、走る、…

「 だけど私も悪い 」

眠れない夜を 指折り時を数えるように 時計の針も 静かな音をたてて回る 君が悪いわけじゃない だけど君も悪い 止まらないため息に 窒息しそうな暑い夜に 外の風も 静かに海を波立たせる 私が悪いわけじゃない だけど私も悪い どこを向いて 歩き出したらいい…

「 古く傷ついた涙 」

感傷的な涙を溢し 鼻を赤くして震えながら しゃがみこみ 足元を見つめていた 潤む瞳を赤くして 泣いていた 古く傷ついた涙を溢し 思い出を引き摺りだして 両手で胸を 抑えて耐えながら 瞼を赤くはらして 泣いていた 感傷的な声を溢し 口を押さえて消しながら…

「 泣けるほどの愛は 」

指の隙間から零したものは 君への愛なのかと 両手を見ていた 指輪の跡も消え 夏の日差しで焼けていた 欠片は何処へ 泣けるほどに 愛していた 静かな夜が永遠であれと 願うほどに 愛していた 指の隙間から零したものは 君への未練なのかと 手のひらを見た 生…

「 夜明け前 」

夜明け前に 何を聞いていたのかと 問われても、答えられない 耳を塞いで遠くの景色を描いて 存在するものすべてを 愛したいと思っていたから 夜明け前が 何も見えないときだから 瞼を閉じて、音を拾っていた 草が交差し虫が飛びはね風が舞う 存在するものす…

「 未来はまだ見えない 」

霧のかかった景色の中に 二人、取り残されていたなら まだ寄り添える温もりが 未来への恐怖を和らげてくれる 一人、彷徨えば 涙零しても霧は晴れない 足元を見つめ、一歩ずつ歩いて 未来への入り口を探して 手を繋いで下さい わたしの震える肩が 地面に伏せ…

「 瞳に明日を映して 」

泣かないで あなたの幸せは、 遠い空の向こう側じゃない ほら、掌に小さな灯りが育っている 泣かないで あなたの願いは、 遠い海の向こう側じゃない ほら、瞳に瞬く星が育っている 瞳に明日を映していこう 未来は、そう悪いもんじゃない 愛があれば、きっと…

「25時のLOVE SONG」

愛していると言ってください あなたの柔らかな声で 暗闇の冷たさを払いのけながら 見えない数万の星を数えていくから 愛していると囁いてください あなたの温かな声で 地上に落ちた雨の数だけ 孤独の涙を止めていくから 切ない夜にLOVE SONGを 25…

「 雨音はやさしく 」

曇り空だった一日を終えて優しく雨が降る今日の疲れを流してくれるのだろうか優しく雨が降るもう、眠っていいのだろうか優しい、雨、雨、雨、 雨音は、君の遠い鼓動優しい雨が降る明日も雨が降るきっと今夜のように優しく、穏やかに 雨音は優しく真夜中に眠…

「 動悸がしたら眠れない 」

ふと何気ないことが気になり胸の中に不安が広がる大して不幸でもないかもしれないけど大して幸福でもないような気がしてきた胸の中の不満も振動となって小さな心臓を揺らす横になって眠ろうとしても振動が気持ち悪く 多分不幸じゃないだけど幸せだとも思えな…