2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「 秋の空の瞬きは美しく 」

ふと見上げた夜空は秋になっていた 星たちが地上に近づいてきている 手元に落ちておいで 瞬く星たちを眺めてはそう思った 振り返れば 灯りも届かないコンクリートの道と 道端にある草むらからの 虫たちの悲鳴 星たちの瞬きが美しい 手の届かない星たちの灯り…

「 プロローグは予測なく 」

寂れた喫茶店で 疲れたママと話していた 席を一つ空けて座った君と視線を交わす プロローグは突然で まだ何も気づいてなかった 交わした視線が 時を刻みながら fall in love 恋は予測なく始まる はにかんだ笑顔を愛し 豪快な笑いを愛し 真剣な眼差しを愛した…

「 夏の名残りと虫の鳴き声 」

夏の名残りを匂わせて 昼間の陽射しは眩しかった 外へ出てはいけない 家の中の壁をみて 指折り、時を数えたらいい めくっては破り捨てたカレンダーが 9月だと知らせてくれた 12月31日までの数字が 整然と並びながら 変えようのないものがあると 見せてくれる…

「 俯きながら 」

喧嘩したのかもしれない 月明りも心もとなく 街灯もない道を 早足で歩いた 歩くほどに涙が零れたのか ため息が零れたのか 知っているのは その時に吹いた風だけだろう 歩く自分の影を 俯きながら見ていた そして 君のことを思いながら歯軋りしていた 独りよ…

「 時計の針の進む音が眠りに誘う 」

時計の針が進む音は 眠りなさいと誘うのだけど テレビからの垂れ流しの雑音は 眠ってはいけないと囁く 明日に日付が変わり 今日が始まってしまっても 夜明けが来るのが怖い 眠らなければ 夜明けがこないような、 そんな期待を抱きながら 時計の針が進む音を…