2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「 君と一緒に 」

君と一緒に見ていたのは霞む夕暮れの空ではなくて消えていく灰色のタバコの煙 涙が流れてきたのは漆黒の夜が永遠にあけないことがなく君と迎える朝が悲しくて 言葉は形もなく残らない耳の奥まで届くことはできても胸の中では消えてしまう 君と一緒に見ていた…

「 探せない言葉 」

君のことを想い出しながら多分、わたしを待っている君に送る言葉を夜中に探してみる 雪原を歩き凍った川を渡り言葉を求める君に何を伝えたらいいのだろう冷え込む夜中に猫も眠る静かなときにかじかむ指で綴る言葉を探せないままでいる 君の夢のなかでは笑顔…

「 めくれていくカレンダー 」

目の前のカレンダーが風に揺れる頃、君の背中を見送った振り返らない君の背中に「さようなら」と呟きただ、ただ、瞼を腫らして泣いた 君の横顔をカレンダーの中に見つけあの頃の二人の笑い声が漏れてきそうだったほんの1年前のことなのに遠くの声のようで風…

「 君に逢いにいく 」

雨の音が好きでいつも窓に寄り添って聞いている優しい雨冷たい雨哀しい雨嬉しい雨雨の雫にわたしの心が映る君を想い雫が流れて、土に戻り川に戻り空に戻り私に戻る君のところは雪だろうか雪が雨に変わるころに橋を越えて川を越えて海を越えて空を越えて君に…

「 君の後ろからついていく 」

溶け出す雪に 一月の光は優しい 君の背中に反射しては 空の色を写している 君の横に並ぶよりも 君の後ろ姿を眺めながら歩く 斜めになった肩の線と 背中の広さを確認しながら 君に話かける 振り返る君の瞳に わたしがいた そんな瞬間が愛しくて 君の後ろから…

「 言葉のない月 」

あの丸い月を眺めながら涙を流したのは君へ伝えたかった言葉を捜せなかったから 何処まで行ける二人なのだろう僅かなときを二人で抱き合い消費していくだけのときを月の流す影にそっと流していった あの高い月が涙を隠してくれたから君へ伝えたかった言葉を…