2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「 線香花火 」

飛び出すように 火薬を散らし 鮮やかな閃光を残して 消えていく 短い瞬間が 忘れがたい煌き 苦い薬を飲み干した、 あの後味の悪さを残して 消えていく だけど瞼に焼きつき このまま消えはしないと 解っている苦しさは・・・・ 火傷した皮膚の 突き刺すような…

「 咆える風 」

海に沈みそうな小さな孤島をめざし 渦巻き、咆えながら 風は、走る、走る、走る 愛を知らない 傷つけることだけで 君は、走る、走る、走る 咆える風は 君の無知な心にも響くだろう 空一杯に広がった雲を蹴り上げて 急降下しながら、咆え 風は、走る、走る、…

「 だけど私も悪い 」

眠れない夜を 指折り時を数えるように 時計の針も 静かな音をたてて回る 君が悪いわけじゃない だけど君も悪い 止まらないため息に 窒息しそうな暑い夜に 外の風も 静かに海を波立たせる 私が悪いわけじゃない だけど私も悪い どこを向いて 歩き出したらいい…

「 古く傷ついた涙 」

感傷的な涙を溢し 鼻を赤くして震えながら しゃがみこみ 足元を見つめていた 潤む瞳を赤くして 泣いていた 古く傷ついた涙を溢し 思い出を引き摺りだして 両手で胸を 抑えて耐えながら 瞼を赤くはらして 泣いていた 感傷的な声を溢し 口を押さえて消しながら…

「 泣けるほどの愛は 」

指の隙間から零したものは 君への愛なのかと 両手を見ていた 指輪の跡も消え 夏の日差しで焼けていた 欠片は何処へ 泣けるほどに 愛していた 静かな夜が永遠であれと 願うほどに 愛していた 指の隙間から零したものは 君への未練なのかと 手のひらを見た 生…

「 夜明け前 」

夜明け前に 何を聞いていたのかと 問われても、答えられない 耳を塞いで遠くの景色を描いて 存在するものすべてを 愛したいと思っていたから 夜明け前が 何も見えないときだから 瞼を閉じて、音を拾っていた 草が交差し虫が飛びはね風が舞う 存在するものす…

「 未来はまだ見えない 」

霧のかかった景色の中に 二人、取り残されていたなら まだ寄り添える温もりが 未来への恐怖を和らげてくれる 一人、彷徨えば 涙零しても霧は晴れない 足元を見つめ、一歩ずつ歩いて 未来への入り口を探して 手を繋いで下さい わたしの震える肩が 地面に伏せ…

「 瞳に明日を映して 」

泣かないで あなたの幸せは、 遠い空の向こう側じゃない ほら、掌に小さな灯りが育っている 泣かないで あなたの願いは、 遠い海の向こう側じゃない ほら、瞳に瞬く星が育っている 瞳に明日を映していこう 未来は、そう悪いもんじゃない 愛があれば、きっと…