「 言葉のない月 」


あの丸い月を眺めながら

涙を流したのは

君へ伝えたかった言葉を捜せなかったから



何処まで行ける二人なのだろう

僅かなときを二人で抱き合い

消費していくだけのときを

月の流す影にそっと流していった



あの高い月が

涙を隠してくれたから

君へ伝えたかった言葉を飲み込んでいた



何処までも行きたいわたしだった

ときを止めてまでも

君の傍で生きていたかった

月の落とす光りが救いになって



あの遠い月が

涙を誘ってくるから

君へ伝えたかった言葉を忘れようと思う



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