「 めくれていくカレンダー 」


目の前のカレンダーが

風に揺れる頃、

君の背中を見送った

振り返らない君の背中に

「さようなら」と呟き

ただ、ただ、瞼を腫らして泣いた


君の横顔をカレンダーの中に見つけ

あの頃の二人の笑い声が漏れてきそうだった

ほんの1年前のことなのに

遠くの声のようで

風がかき消していくようで

やっぱり「さようなら」としか言えなくて


君の背中に

「まだ、」と言いかけたあの時

手で口を塞ぎ、息を止めた

その頃から風はよく吹くようになった

カレンダーはどんどんめくれていく

風が通るたびに




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