「 引き出しのなか 」


右手にある小さな棚

君からもらった時計が、

ただ正確に時を刻んで

静かに音もたてずに寝ている



腕に絡みつくことなく

重く、冷たいバンド

鈍く光りながら動じない

小さな箱の中で

無造作に横になっている



憎らしいほどに。

わたしの動悸が波打つ

早く過ぎ去るように