「 昼下がりの小雪 」


ちらちらと小雪が降る
いつもの景色に哀しみを乗せて
ほの暗い昼下がりに
白い染みを残して消えていく

君の描く過ぎ去った景色のなかに
あのときの吹雪は
残っているのだろうか

わたしの手に落ちる
小雪のなかに
あのときの雪化粧した街が見えている

風が小雪
風下の港まで流していく
途中、消えてしまうのだろうが
一雪ぐらいは、と願う

ときおり差し込む日差しに
一瞬煌き跡形もなく消えてしまう
そして、また
ちらちらと小雪は降ってくる



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